<6月17日>
ニュルンベルク~フランクフルト
「ポルトガルvsイラン」
シュツットガルトでの屈辱と反省を胸に(前回のブログ参照)、2日目はリトライです。
今度はフランクフルトへ向かいました。再び「Go West!」。
ニュルンベルクからICBに揺られて2時間半。気合充分でフランクフルトに乗り込みました。
しかし、フランクフルト中央駅で降りる予定が、人の流れに身を任せすぎ、ひとつ手前の駅でミス下車。「あれれっ、思ったよりも駅が小さい」。
スタジアムの影も形もなく、交通手段は駅前の路線バスのみ。のっけから前途多難。そこで道を尋ねることに。
「スタジアムに行くにはどうしたらいいんですか?」
「このバスに乗りな」
「切符はどうやって買うんですか?」
「いいから乗った乗った」
言われるままに飛び乗ると、そこはポルトガルサポーターで埋め尽くされてました。
そして走ること20分。フランクフルト・ワールドカップタジアムに到着。
あとから知ったのですが、W杯のチケットを持っていれば、市内交通は無料とか。
これはぜひJリーグでも市区町村と協力してやってほしいことです。
ということで、この試合ももちろんチケットはありません(でもバスは無料でした)。
試合は「ポルトガルvsイラン」。
昨日はダフ屋さんに蹴散らされたので、この日は紙とペンを持参。
そう、ダフ屋がダメなら自己調達です。
パス停にあるベンチを机がわりにカードを作成。
「I NEED TICKET」
いかにもべたな英語ですが、頼りなくて弱いやつほど助けたくなるというもの。
ただ、これだけなら結構たくさんのチケット難民がやっていること。
いろいろ観察して感じたのですが、待っているだけではやってきません。
自分がチケット難民の分布図でどの位置にいるかが重要で、スタジアムに近すぎても遠すぎても交渉のテーブルにつけないのです。
そりゃそうです。夏祭りの参道で一番最初の屋台や境内真横の屋台でお好み焼きを買いますか? いろいろ観て歩いて、境内に行くちょっと前くらいですよね、買うタイミングって。(ちょっとたとえが悪かったかな)
ただ、初めてのスタジアムで地理的条件を把握するのは至難の業。さらにゲートは4箇所。
そこで考えたのが、とにかく「I NEED TICKET」カードをかざして歩き回ること。最高の場所を探すための、その時間もずっとカードを見せ続けることです。
昨日は300euroが相場でしたが、対戦カードから言ってそれ以上はないと踏み、昨日同様200euroを上限で交渉することに・・・。
長期戦覚悟で意気揚々とやり始めたのですが、意外にもあっという間に交渉が成立してしまいました。2度目の交渉で150euro(\22000)。短時間だったので正確にはわかりませんが、チケット難民の日本人が駆け寄ってきて、「いいないいな、おじさんチケットもっとないの」と言ってたので、その試合の相場から言って安かったのでしょう。
そんなこんなでキックオフ20分前に、スタジアムに入りました。
自称“スタジアムフェチ”ですから、そんじょそこらのスタジアムでは私を納得させることはできません。
さあ、初めて足を踏み入れるドイツのスタジアムはどうなのか・・・。
目を皿のように見た結果、見事、自己記録更新でした!!!
スタジアムの傾斜は身を乗り出すような角度で、前の人の頭は邪魔にならず、ピッチとスタンドの距離は数メートル。大型ビジョンはピッチ中央に吊り下げられている例のスタジアムで、どの位置からも首を動かすことなく観ることができます。屋根は開閉式で雨にぬれることはなく、強烈な日差しもさえぎってくれます。収容人数は約5万人の2階構造。声は反響し障害物が無く全体が見渡せました。
ということで、座った席ですが、
イラン人、イラン人、イラン人、イラン人、イラン人、イラン人、イラン人、イラン人、イラン人、イラン人、イラン人、日本人、イラン人、イラン人、イラン人、イラン人、イラン人、イラン人、イラン人、イラン人、イラン人、イラン人ラッパ隊、イラン人、イラン人、イラン人、イラン人、イラン人
チケットを売ってくれたおっさん、出て来~い! 何なんだこの席は!
座るなり
「お前はポルトガルなのか?」と聞かれ
「何言っちゃってるわけ!? 同じアジア人でしょ。イランに決まってんじゃん!」
てな、郷に入れば郷に従いまくった発言をしてしまいました。
(人間って弱いものです)
試合はご存知の通り、ポルトガルが2対0でイランに快勝しました。それにしてもイラン人は諦めが早かったです。1点取られた時点で50%が応援する意欲をなくし、2点取られた時点で70%以上が肩を落としていました。選手にもその消沈ぶりが伝播したのか、プレーに気迫がなくなり無為に時間ばかりが過ぎていきました。同じアジア人として何とも情けなく感じました。「諦めんな、イラン人」
帰りは電車を乗り間違え、わけのわからない駅で下車して引き返し、ニュルンベルクに帰り着いたのは夜11時過ぎ。夕飯は全世界同じ味を敢えて提供してくれているマクドナルドでした。ソーセージ食べて~。
夜中、ポルトガルサポーターがホテル前で歌い続け、寝苦しい夜を過ごしました。
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