台風が近づきJ2のいくつかの試合が延期された。今回の台風は崖崩れや河川の氾濫で死者が多数でるなど、各地で猛威をふるっている。そんな台風がナビスコカップ、F東京vs横浜FMでどう影響するのか、ただならぬ嵐の予感を感じていた。
ただ大雨の中、スタジアムまでの道を歩いていると、一台の選挙カーが通り、そんな試合への高ぶりを一斉に消去されてしまった。
「ドクター・ナカマツ♪、ドクター・ナカマツ♪、ドクター・ナカマツ♪〜」
コミカルなメロディに乗って連呼されるドクター中松の名前。おまけに「あなたの幸せを100倍にします」とまでメロディアスに歌いきった。マニュフェストが政治家の政策方針となり、達成責任まで問われる世の中で、「幸せ100倍」などあまりにも漠然としているが、やはりそこがドクター中松なのか。この歌を聞き、試合への緊迫感が一気に吹き飛び、拍子抜けしてスタジアムのゲートをくぐった。
試合はそんな気持ちが反映されてしまったのか、拍子抜けしたものになってしまった。第1戦を0-1で負けている横浜FMは当然のように先制点を取りに積極的に前に出てきた。雨のピッチを考慮して素早く前線へボールを入れるシンプルな戦術。F東京も実質同じ戦術だったが、ボールへの気迫が違ったようだ。特にリチェーリの緩慢な動きが目立ち、横浜FMの左サイドの小宮山がボールを奪い、そこが攻撃の始点になっていた。前半19分に山瀬が先制すると、後半3分に大島が加点。ここから横浜FMが前掛かりのF東京の隙を突き+2得点。試合を決めてしまった。終盤F東京が反撃して2点を返すものの、同点に追いつく時間はなかった。
台風の影響も心配したが、それはほとんど感じなかった。ピッチはスリッピーだったが、ボールが止まってしまうことはなく、逆に球足が速く、ゴールまでのパス回しは非常にスムーズだった。
やっぱりこの一方的なスコアは、ドクター中松の影響なのか。「幸せ100倍」の目標のためにどんな選挙戦術を立てているのかわからないが、その目標をサッカーにたとえるなら、「ナイスゲーム100試合」ってなことか。基準値の存在しないものを目標に設定してしまったら、戦術のたてようもないが・・・。そんな選挙戦の雰囲気がF東京に伝染してしまったということはないが、何だか全体的に煮え切らない試合ことは確かだ。
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