「共感覚」って知ってますか。あまり耳慣れない言葉ですが、これはアーティスティックな人たちが持つ特殊な感覚で、音や匂いが形となって見えたり、文字が色付きで見えたりするという感覚です。たとえば白地に黒で「東京」と書いた場合、共感覚を持った人が見ると、グレーに見えたりするそうです。共感覚を持つ人の中でも見え方は違い、「東京」が緑にも赤にも見えたり、新聞が七色に見えたりするそうです。何とも不思議な感覚ですが、これら共感覚を持った人たちの中には有名な音楽家や芸術家が多く、マイルス・デイビスやスティービーワンダーも共感覚を持っていると言われています。
この感覚を持った人は、一説では数万人に一人と言われていますが、この特異な感覚を積極的に公言する人は少ないと思われるため、おそらく2000人一人と言われています。
そもそも新生児がこの感覚を有しているそうですが、一般的には成長するにつれて、脳の中で何らかの変化がおきて、そのうち消滅していくものらしいです。意地悪な言い方をすれば、共感覚者は脳が成長し切れていない人たちのことかもしれませんが、彼らが後世に残る芸術作品を生み出していることを考えれば、貴重な存在だと言えます。
最近私はそんな共感覚を持った人物に初めて出会いました。その人は私の故郷「静岡」の文字が黄緑色に見えると言っていました。「好」はピンク、「嫌」は緑、友達の誕生日の数字もすべて色が付いてるそうです。ただその人は自分のそんな感覚に数年前まで気づかず、みんなそう見えると思っていたのですが、唯一彼女の姉だけが見えると判明したそうです。
もしかしたらみなさんにも自分の知らない能力があるかもしれません。犬並の嗅覚を持っているとか、髪や爪の伸びが異常に早いとか(ちょっと違うかな)。人間にはそんな開発されていない様々な能力があるとわかれば、未知なる可能性を秘めた自分というものを再認識できるかもしれません。
そんな未知なる能力を見つけだすという意味では、オシム監督に託された日本代表も同じ状況なんじゃないでしょうか。オシム監督が提唱する「考えながら走るサッカー」が成熟すれば、世界で類を見ない「日本化」されたサッカーが形作られるかもしれません。
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