今回はPRとは直接関係はないのですが、とても役に立つ書籍を紹介します。
PHPビジネス新書刊「伝える力」。著者は元NHKの記者で、NHK番組「週間こどもニュース」のお父さん役で、長年にわたりニュースをわかりやすく解説してきた池上彰氏。その池上氏が2007年に第1版を発行し、2009年6月に第37刷を数えるロングセラー。
このブログのタイトルにした~「日銀」は説明できなかった~、はこの本のサブタイトルではなく、第一章の内容から。実際のサブタイトルは「「話す」「書く」「聞く」能力が仕事を変える!」です。
それでは皆さん、「日銀」とは何ですか?説明してください。次に、「政府が勝手にお札をすったらインフレになる」という仕組みを説明してください。
できましたか?私は漠然とは理解していても、いざ説明となると、うまくできませんでした。
「日銀」についても、「インフレ」についても、池上氏自身が実際に子供たちに質問されて経験したことで、この本は、池上氏がこどもニュースで経験したことを軸に、いかに伝えることが難しく、かつ重要なことなのかを説いています。
また、後半ではカタカナ語の氾濫についても触れています。
PRでは、メディアに伝えたい内容をリリース(文章)として送るのですが、えてしてメディア側も専門家であると思いがちなんですね。この勘違いによってリリースが専門用語の羅列になってしまうことが多々あります。
業界紙や専門誌ならともかく、一般に広めたいニュースであれば一般紙(誌)にも取り上げてもらわなければならないのに、内容がわからなければ記事にはなりませんよね。そんなことを気づかせてくれ、どうすれば「伝える力」が養えるのか、そのヒントを与えてくれます。
いわゆるビジネス書なんですが、子供たちに解説をしていただけあって、この本もとても簡単で読みやすくなっています。逆にハードな本を読み慣れているとやわらかすぎるかも。
PRだけではなく、営業や管理職のコミュニケーションのヒントとしてもよろしいかと。(編:三浦)